同居のために家を売る!相続税は大丈夫?メリットとデメリット!

専業主婦よりも共働きがスタンダードになった今、両親と同居することで育児を手伝ってもらったり、家事を分担できることで負担を減らすことが期待できます。

同居といえば嫁姑問題が定番ですが、家を売って同居するメリットとデメリット、家を売るまでに抑えておきたい相続税の考え方を紹介します。

どちらの家を売却するのか

親が家を売る時はその後の相続の問題、子が家を売る時は住宅ローンの返済が問題になりやすいでしょう。

2軒の家を維持しながらどちらかに同居というのは現実的ではないので、どちらかを売却したいと考える人が多いと思います。

親が家を売って引っ越す

子供の家に親が引っ越すパターンです。

親の家を売ると資産として現金が増えることになりますので、この時は相続税のことを考えた方が良いでしょう。

相続税の評価額は、土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額を使います。

どちらも実際の売却価格よりも評価額は低く出ます。

よく相続税の節税に不動産を買えといわれるのは、不動産は評価額が売却価格よりも安くなるためです。

相続時には不動産で所有しておき、その後に売却しても市場での取引価格は、相続税評価額よりも高いので、売却価格と評価額の差額分を節税できたことになるのです。

ちなみにタワーマンションは売買価格と評価額の差が大きく、また売却するときの価格も下がりにくい特徴があるので、相続税対策の定番になっています。

相続税は法定相続人の数に応じて基礎控除が変わります。

2015年の改正で基礎控除は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)に減らされてしまったので、まとまった預貯金がある人が不動産を売却、現金化すると基礎控除の枠を超える可能性が十分にあります。

相続税がかからないように可能な限り控除内に収めることを意識したいですね。

子が家を売って引っ越す

いわゆる実家に入るパターンです。

子供側が家を売る場合に心配なのが、住宅ローンの完済。

まずは不動産業者から査定をもらい、売却して完済できるかを計算しておきましょう。

最初の査定額は売却価格よりも高く出ていることがほとんどなので、ギリギリの資金計画にならないようにします。

家を売る時の経費は購入の時ほどはかかりませんが、仲介であれば仲介手数料が売買価格の3%+6万円必要なのが大きいです。

あとは細々とした経費として住宅ローンの一括繰上返済のために銀行に数万円、抵当権の抹消のために司法書士に数万円、契約書の印紙代が掛かってきます。

ちなみに業者の買取であれば、仲介手数料はありません。

住宅ローンを完済できないパターンとして、購入時に頭金ゼロだったり、一部繰上返済をしていない場合は要注意です。

昔は家を買うときは頭金2割が必要と言われましたが、今は頭金ゼロという人も多く、もしかしたら2割以上の頭金がある人の方が少ないかもしれません。

新築が中古になった途端に価格がガクッと下がるように、築年数が浅いほど売却時の値下がりの幅が大きくなります。

築15年~20年以上経ってくるとやっと下落率が落ち着いてきます。

もし住宅ローンの負担が重くなっているのであれば、早め売却と同居が良いでしょう。

住宅ローンを完済しないで家を売る方法として、任意売却と呼ばれるものがありますが、滞納が始まっている状態で、さらに債権者の同意が必要なので簡単にできるものではありません。

同居のメリット

子育てで手を借りたい、経済的な援助など、親世代に頼るメリットは大きく4つです。

核家族が増えている昨今ですが、共働き家庭での子育てや家事は多忙を極めます。

関係が良好であれば親との同居もありではないでしょうか。

寂しくなくなる

65歳以上の高齢者がいる家庭は今や約半数。

しかしその大半は老夫婦だけ、もしくは高齢者の一人暮らしです。

多くの高齢者が子供や孫と同居していません。

いまや日本の平均寿命は女性で90歳も目前です。

配偶者に先立たれた後の老後の一人暮らしの期間はかなり長いのです。

同居することで互いに安心できるという側面があります。

孫の面倒を見てもらう

全国的な調査結果でも同居の割合が高い都道府県は共働き家庭の割合が高いことが分かっています。

祖父母のありがたみは子供ができてから分かるもの。

共働きの子育てでは病気になって保育園・幼稚園を休まなければならない時に心強いですし、小学校低学年まではまだまだ子供も手がかかります。

共働きで子供がいる家庭では同居の恩恵が特に大きくなることでしょう。

また孫の教育費などの経済的な援助もあるかもしれません。

育児、家事、仕事を核家族で全てこなすのには限界があります。

同居することで上手く分担ができれば最大のメリットになるでしょう。

生活の拠点が2つよりも出費を抑えられる

別世帯で暮らすよりも家計の面でも、家の維持費の面でも一つにまとまることで安上がりになるでしょう。

住宅ローンや家賃は多くの人が年間100万円以上を払っているのではないでしょうか。

同居すれば片方の家の維持費は、丸々貯蓄に回せるようになります。

しかも、今は>定年退職後でも働くシニアは多く、親世代も働いていれば家計の世帯収入の余裕はかなり出てきます。

人の目が増えるため防犯面で有効

誰かが家にいる時間帯が増えるため防犯効果が期待できます。

高齢の単身世帯や老夫婦だけの世帯であると判断されると詐欺や窃盗も心配です。

また、家族旅行に行っても家を空っぽにしないで済みます。

宅配便などの受け取りもしやすくなる日常的なメリットも期待できます。

同居のデメリット

デメリットは深刻になってしまうと同居解消や<離婚問題などに繋がってしまうことでしょう。 まずは同居に適した間取りの家であることが必須です。

人間関係のストレス

同居にあたり引越してきた側は、ほとんどのケースで一から近所付き合いを始める必要があります。

また別居の時は上手くいっていた義両親との関係が同居になった途端に悪くなってしまうなんてことも。

しかし、人間関係の問題は最終的には相性次第かもしれません。

同居を解消をすることになる理由の第一位は人間関係ともいえます。

部屋数が必要

義両親との関係は他人、やはり気を遣う関係です。

同居のためには部屋数が十分あることが重要です。

2世帯住宅ではない家で同居するとなると、風呂やキッチンなどは共有することになるので、完全に生活空間を分けるのは困難です。

これもストレスになってしまうポイントです。

食事の好み

食の好みは家庭や年齢によっても変わってきます。

食事の時間や好みが異なるとストレスになるでしょう。

家事については不満がなく分担できれば同居のメリットにできますが、失敗するとデメリットになってしまうことでしょう。

親との同居で家を売るための最適解は?

家を売る方法は仲介と買取があります。

仲介は一般的な売却方法で時間はかかるかもしれませんが、買取よりも高く売れる可能性があります。

買取は売却価格が下がってしまいますが、ノークレームノーリターンで売却ができるので、契約不適合責任の面では安心、決済も早いという特徴があります。

いずれの方法にするとしても、まずは「不動産一括査定サイト」で査定を貰いましょう。

査定があれば売却して同居を考えられそうなのか、住宅ローンの返済が難しそうなのか検討材料にできます。

住宅ローンの完済が難しければ家を売りたくても売れない、同居どころではなくなります。

不動産一括査定サイトの査定はネットで完結するので、店舗に行く手間もありません。

数社の査定を比較することで相場観を掴むことができるのも良い点。

実際に売却するかどうかは査定をもらってから考えられるので、まだ迷っている人でも不動産一括査定サイトは気軽に利用しやすくなっています。